暑い夏の記憶から─南京大虐殺物語について─/室町 礼
製薬会社が高値で買い取りに来るということでしたが
風が吹くとぬめっとした生臭い匂いが湯気のようにあがってくる。
そのプールに足を運ぶことは誰もが嫌がっていたようで、
後にわたしは埼玉にあるポンプ修理会社に就職しましたが、
ある日この"血のプール"のポンプ修理依頼の伝票を先輩の職人が
みて「これは後回しだ。朝一番からこんなところに行ってられる
か」と吐き捨てたことがあります。
わたしが何故、こんなことを書くかというと哺乳類には皆、肉があり、
血があり骨があり、それぞれに量があることを示したかったからです。
わたしには資料や体験談などの真贋はわからない。
しかし
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