緑の島/杉原詠二(黒髪)
 
れない
地球と天王星は兄弟なのだから
命のゆらめきが宇宙空間を渡っていく
天王星はすでに観測された
いつかそこに人類が行くかもしれない
永遠へ向けて
遠く遠くへ
人は導かれるように進んでいく
この母星で生を営みながら

眼の見えない人よ悲しむな
その手や肌は人の温もりを知る
熱き血は見えねども流れている
思考は衰えたのではない
見えなくても見ることは出来る
草木が眼が見えないのと同じように
繁茂する森の一部が枯れても
全体として消えることはあり得ない
人も人々の中で
それぞれの欠損を補い合って生きるのだ
あなたの見えぬ眼は
その瞳は
わたしにはとても美し
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