青虫/
本田憲嵩
きびしい、
現実の靴底に、容赦なく踏みつぶされた、
その蝶の夢の、ぐちょぐちょが、
きみの蛹をかたちづくった、
ごくありふれた、
きわめて地味で地道な蛾が、
ごくありふれた、
日常の風景を、きわめて活発に飛びまわっている、
そのとても立派で、ちからづよい、
羽ばたきの音、
が、聞こえてくる、
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