服を脱げば皆同じ/室町 礼
小説を取り上げこういうことをいって
いる。
高橋源一郎さんの作品は、まさに詩歌が当面し
ている問題そのものであると言えます。作中の
人物が詩をどんな風にとらえているかすぐにわ
かるところがあります。その部分をちょっと挙
げてみます。これは、作中の中の「私」が詩の
学校を開いている場所に出てくるものです。
―もしあなたたちの誰かが心の底から、詩を書
きたいと思い、しかもどうやって、何を、書い
ていいのかわからなくて悩んでいるなら、ここ
へ来てもらいたい。
わたしはあなたの話をきく。
話すのはあなただ。
どんな微妙なことでも、はずかしいこと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)