この夏の想い/秋葉竹
胃が焼ける
瞳が焼ける
背中が焼ける
水族館に行くのは
七月がいいと君に教えられたけど
その流派もう忘れてしまったよ
煩わしい憎しみが
夏休みの宿題みたいに処理できない
あんなに好きで
大好きだったのに
あのとき黄色い突風が吹きすぎたあと
真円だった世界がまっぷたつに割れたんだ
真実は必ずしも幸福ではない
だなんてほんとうは
みんな知ってることだから
かつて晴れ渡っていた心の断面を
時間が経っても忘れないことも
大切なことだと想うんだ
一夜明けて
すべてが明らかになった不安の色が
浅い喜びを覆い尽くすのかもしれないから
一杯の氷水を一息に飲みほして
ささやかな心のゆらぎを
沈めてしまいたいと想うんだ
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