雄弁で曖昧な結晶/ホロウ・シカエルボク
るかに高次の存在かもしれない、俺はそいつの存在の詳細を知ろうとは思わないし、訊いてみる気も無い、あらゆる疑問には知る時期というものがある、浮かんだまま放り出していれば、時々の状況に応じて勝手に解答が閃くようになっている、もっともっと、地図に無い場所へ、前人未到の秘境へ、人が旅に出る理由なんて、知りたいものを全部知るために他ならないだろう、でも覚えておきな、知れば知るほど知らないことは増えていく、その果てしない追いかけっこに負けないように貪欲にならなければならない、一度でも降りたら二度と戻ることは出来ない、賞味期限がタイトなんだ、俺はまた新しい手段を得るつもりさ、いつでもそうしてひとつずつ増やしてきた、そしていつか必ず、その無数のやり口は、混ざり合って最適な形になるはずなんだ。
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