スローな世界に憧れて/秋葉竹
「わたしがわるいから」
「やめたいから」
「証拠なんて、ないねん」
なんの脈絡もなく
紡ぎ出された寝言を聴いた
寝言は寝て云え、とはよく云ったもんだ
わけがわからないのは
寝言だからだろう
ブルーのカーテンの向こうは
もう明るくなっていて
全世界に朝がやって来たような気になる
地球の裏側は黄昏なのかな
よく知らないけどカーテンの向こうの
車の通る音や
さまざまな雑音や
カーテン越しの日光が
この部屋にはうっすらと入り込んで来る
夜が好きだ
あの
これから一日が終わる感じの
これから世界が眠る感じの
どんな罪も包み隠してくれそうな
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