時の啓示/ひだかたけし
夕刻の残光、一伸び
響き入る旋律の揺れ
美しく優雅に寛ぎつつ
次第に消えいく感覚の現れ達
くぐもることなく鮮やかに
ゆぅん ゆぅうん ゆぅうん
上から下から前から後ろから
深く濃く沈み込む青みを帯び
入りいく夜に 全て在るもの、
浮き立ち明るみ嬉し私自らも
直に観入る思考の眼差しから
それそれらの内の一つと化し
落涙、一筋 夜陰昇る半月の下弦弾き
波打ちながら過ぎる時の奏で感触の確かに
自ずと訪れたこの夏の
一日の間合い(ひとひのあひだ)
今、自ら意識し努めつ その再来に待機し命保ち
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