もののかたち/チャオ
宿るのだと僕は思っていた。だから、僕は何度も、何度も、同じ言葉を使っていた。でも最近違うように感じてきた。いや、間違いじゃないのは確かだ。ちょっと、角度を変えたようなもの。
何度も、何度もそのものを見れば、そのものの意味を見れば、そのものの形が僕らの形に投影されてくるんじゃないかって思うようになった。ものの形だけが変化するのではなく、僕の形も変化しているって。
うまく伝わらないのも、それは一つの形だ。何度も、僕はこの文章を読んで、この文章の形を整えていく。それがもののかたちをつくるということ。あと何度、駄文を書けば僕は核心に近づけるのあろう。このまま近づけなかったら?と不安になる。だからこそ、僕の言葉を撤回することは出来ない。なぜなら、言葉を使って僕は僕の形を研磨しているのだから。
もののかたち。
何かがそっとやってきて、物を研磨していく。
言葉は、僕によって研磨されていく
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