ゼロ地点2/ひだかたけし
眼前の世界の
嘘のように遠く只々
閃光走る視野の端々
筒抜けになる空洞の束
見えるもの次第に
ぼんやりぼやけ
脳髄に響き居る宇宙の囀り
より鮮明に浮き立ち
刻み込まれ又浮き立ち
光の抜き足差し足 、
ゆっくり移動し
茹だる夏の草木達
しゃらしゃら揺れ
細やかな粒子
浮かび飛び跳ね舞う
残留する時ぱたんぱたんと倒れいき
繋縛されていた意識の解き放たれ
ほっそり艷やかな娘の二本の脚 、
てらりきらり発光の純白輝き放ち、
伸び拡がる世界を軽やかに掻き混ぜて又
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