Kotodama/栗栖真理亜
 
誰かが好きだと囁いた
私も好きだと返した
だけど見渡しても誰の姿もみえず
虚しく木魂が響くだけ

Response
待ち侘びるたび体の隙間を通り抜ける

Believe
魂を震わせながら虚空を見つめた
まだ柔らかな幼子のような憧れを硬く閉じたまま

瞼を閉じればみえてくるよ
楕円形のなかに吸い込まれてゆく深淵
瞬きすら忘れた冥闇
戻る   Point(1)