蒼い目の夢 /月乃 猫
とり 二匹の仔を生んだ
そして
雑草のおいしげる 下水溝の端 つゆのしずくに濡れそぼり
女に出会う
生きる水を 食べ物を 糧をもとめ
自由の対価は 限りない束縛/子の安寧ならば
親猫の命は・・・
女は どうしてか
生きることをあきらめた 母猫の息遣いを耳にした
動かなくなった母の乳を吸う子猫の
それが、この家でのはじまり
暖かなねぐら きれいな水は 人口食材は、
子猫たちへの 幸せのおくりものを装い
人知れず 街猫は永い眠りのなかへ
音をたて ミルクをもとめ、
何もしらずに 小さくまるくなる お前たちの
あらたな親となるものの
遥かな 前世からの道なりが
今ここに 完結する
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