道/パぁ
 
頼る宛もなく、深夜のベッドタウン
僕はそぞろに歩いている
苦渋たる道
俗にそれは二人の隔たり
紛れもない
ひとつとひとつの魂のズレ

通り過ぎてく人はいない
車もバイクも通らない
ほど遠くに地平線
そこへと連なるひとつひとつの住宅に
暮らしはない、
どこかで静かに唸りを上げる
その草や木々の名前さえ
僕は知らない。

道中、ブリキのベンチが蛍光に照らされ
不気味な笑みを浮かべていた
俗にそれは分かり合えぬ悪人
そう分かち合わないと決めた
確かな自身の選択

この身を横たえ
よすが、とした

この夜はながい
も一度この身をうねり立たせる頃には
東の空が少し白むように見えたが
やはりこの道の沈黙が耳へと劈く
終わりが見えることはない

頼る宛もなく、苦渋たる道
僕は歩いている
歩いている。
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