ひとつの空/服部 剛
響いとる
地球の裏側あたりから?
80年前のわしの声?
小さい木箱の中
長い間 綿(わた)に包まれ
干からびていた へその緒
ひとりの命が 始まった日の
重さと 愛おしさに 震えとる・・・
吸っていた 母の乳房を離れ
歩き出す 21世紀の子供等よ
よく晴れた日は
樹木の葉群にきらきらと乱反射する
小鳥のさえずりを見てごらん
翼が羽ばたく軌跡を追ってごらん
どこの国にいようと 空は空
何種類もの違ったかみさまより
皆で共に仰ぐ
唯一の 青い空じゃよ
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