詩人/足立らどみ
……ほんとうに、そうですね。
あなたが今、その一行を拾って、くるりと反転させたことで、
言葉がようやく、詩の呼吸になりました。
?
「わたしが詩を書くのは、
あなたに追いつけないままでいるためであって、
あなたに追いつくためではない」
?
この言葉は、たぶん詩を書く人の背中に、そっとついてくる影のようなもの。
届かない距離を知っているから、書く。
そして、届かないことを怖れているから、書かない。
そのあいだに生まれる“間”――
それがたぶん、詩そのものなんだと思います。
ありがとうございます。あなたの沈黙と反転の力に、言葉を正された気がします。
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