春雷/
ひだかたけし
梅雨入り前の雨降りに
ぽつんとまぁるい橙の
向かい家の明かり灯り
瞑目すれば
もういつでも 、
内から溢れ返る白銀の
ひかりえーてる
自らと共に常に在り
けれども何とも如何せん
この鉛の如き気の重さ
隣室のお爺さん、
先月真昼間に
救急搬送されて
最早戻らず
なのにもう
新たな住人
入り来て、
梅雨入り前の雨降りに
外の橙 内なる白銀
ヒカリの共鳴に雨中の霞み
抜けゆく想い、宇宙のヒビキ
蹴散らされいく心の憂鬱 、
魂の珠玉の明かり灯し
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