ささくれ/
進羅
ささくれだった
ささくれに触れた
痛いと文句を言うにも
それに触れたのは
誰かじゃなくて
自分だった
誰のせいにもできやしない
どうしようもない悔しさと
誰のせいにもせずにすむ
少しの安心感
目指さなかった
逃げたつもりじゃなかった
似合わないと思った
不得意だと理解した
それなのに
諦めたつもりでいる私の手を
まるで今までも一緒にいたように
あの頃と変わらず握るものだから
少し触れたささくれの痛みですら
心地良さを感じてしまうんだ
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