pri?re/
栗栖真理亜
波立つ白い羽衣
光に透けて溶ける夢
身を投げ出して泣く赤子のように
純粋に残酷なほど無邪気に柔らかな刃で胸奥深く抉る
それはいつか視た予感
どこか遠くで耳にした詩(うた)
魘されて目覚めた夜明け前の部屋で額に汗を滴らせ
早鐘を打つ心臓を押さえる母親の隣で健やかな寝息を立てる幼子
もはや瞳から得る幻も鼻と口で感じる息吹も消え果てた
今はただ耳から耳へ通り過ぎてゆく
鎮魂の祈り
戻る
編
削
Point
(4)