観葉植物/栗栖真理亜
肌寒い室内の空気に体を縮こませ震える指で暖房のスイッチを押す
カチッ
ブゥーンという火のついたような音と共に外に送り出される温風
暖房の前に座り込んでしばしその力強い熱風に体を炙られるのを楽しんだ
窓の外は薄いオレンジ色の光で満ち溢れているのに
生暖かい風が道行く人の体を包み込んでいるのに
まるで外と内とは遮断されているように部屋は寒気に満ちている
ふと目を畳の部屋に映すと
窓際に置かれた観葉植物が緑色の掌を拡げて
柔らかい陽射しを嬉しそうに浴びていた
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