恋愛未遂/浅い殴打
 
京都の夏
繋ぎ損ねた指

触れた膚の接触、未遂
これからも生きて 
思い出して
死ぬまで思い出して

嘘だよごめんな

君はあの日
誰かと
縁を切りたがっていた
あれからどうなの
しあわせなの
僕をどうして選んだの

私が好きになったら
消えていっちゃうから
無口な商店街で見つめ合った
言いたくないと
目線を泳がせた
君のメガネが辛いよ

あの頃の僕たちは
バラバラに抱き締めながら
あきらかに恋をして
離れられずに

恋愛未遂の
危うい日々を
肩寄せ過ごしてた 

河川敷の夜は
君が僕に妬いた 

キスしてりゃよかったな

京都の夏
繋ぎ損ねた指
イヤフォンがぼくたちを繋いだ

君のメガネに映った
僕はどんな人だった?
最後まで
音楽は流れたかい
骨へ
二人で聴いた雨とカプチーノ

君はすべりだいのような人

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