風を祈る/
 
雲のヴェールを被り
君の瞳の輝きが霞む
昨日までの甘い囁き
ひんやりとした沈黙
言い訳めいた口調で
言葉が空に散り散り
曇り空に溶けていく
空が重く息を潜める
ざわめく心の隙間を
轟音と稲光が切裂く
君の頬が雨に濡れる
抱き寄せようとする
手は払いのけられて
僕は為すすべもなく
風が雲を散らすのを
祈るように待つだけ
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