真夏の別れ/レタス
 
蝉時雨の日に緑の紙に捺印をすると決めた
いつまでも友達でいようなんて嘘をつき
きみは天を突き抜け歓喜の歌をうたい
ぼくはどぶ板を這いずり回るゴキブリになるという
今までの18年は悲喜こもごもの火宅の日々だった
傷つき傷つく修羅場は真夏の午後に終わりを告げる
琥珀の水をチビリチビリと啜りながら紫煙を燻らせ
どうでもよいことやどうにもならないことを想い出し
髭混じりの柔らかく緩んだ頬を5本の指でそっと撫で
薄い唇で静かに星めぐりの歌を奏でた
これでいい これでよいと冷えた肩を抱き締めながら
ガラクタだらけの3LDKで独り琥珀のくだを巻く

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