愛のとなりで/そらの珊瑚
 
朝の電線は
小鳥たちがさえずりあうところになった
投げかけてかえし
うけとめては投げかける
にぎやかないとなみ

ひかりさすほうへ小さなからだをむけて
羽毛に熱をとりこんでいる
越えてきた夜はくらくてさむい
ついらくすれば
戻ってはこれない
だけどそれは
みんなに
最初から用意されている物語

小鳥たちの声をまねて
わたしもさえずってみる
交わされるうたの意味はわからないから
ただあたたかいむねのうちを伝えたい
そうきこえるような とびきりを

くちびるはくちばしに変わる
とてもとても
やわらかいくちばしに変わり
生きていることをあてどなくついばむ

ときを惜しむようにふってくる羽毛が
わすれ雪のように
わたしをすりぬけていく



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