詩の終末(おわり)/栗栖真理亜
言葉の羅列を詩に換えて得意気に語るヒト
ココロの音に耳を傾けるコトすら拒絶して
明日の書店にはもう平積みされている
嗚呼、アナタにはたくさん哀れな信者がいるコトでしょう
生活に追われ救いを求める彼
救世主だとばかりにアナタの本に手を伸ばす彼らを
アナタはほくそ笑みながら眺めているの?
人間の中心にある風景をアナタは信じず
感受性の意味すら解らないアナタに
ヒトを救えるコトは出来るかしら?
なに?何?
ヒトを救いたかったワケじゃない
自分の書きたいコトを書いただけ?
それならば何故こんなにヒトが集まってくるのでしょう?
アナタが日常にある風景を切り貼りして「これが詩です」と大威張りしてる頃
ヒトビトは癒しと共感を求めてアナタの作品に触れているはず
それなのにアナタは開襟もなく日常という言葉の壁を作って胸を反らす
私は涙を流そう
死に逝く詩のために
細い首に手をかけ死に追いやるのは
紛れもなく求める読者と詩人そのモノなのだから
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