情熱と魂をもて/栗栖真理亜
 
自信過剰な彼女は腰に手を当て大威張り
まるで地べたに這うちっぽけな蟻を
鼻先であざ笑うかのように見下している
暗い倉庫に立ち並ぶマネキンを指差し
これこそが天下だと豪語しながら・・・

マネキンは揃ってリアリズムを唱え胸を張る彼女と共に
ヒトの心に宿る感情すら踏み潰さんとする
幾歳も積み重ねられ埃すら被った知識を振りかざし
「ワタシには何もかもお見通し」だと
横目で物事を見遣りながら

これこそ知識人の浅はかさよ
どんな?おりこうさん?でも敵いやしない
自分こそが神だと思い込んでいる輩には
自意識過剰がお似合いさ

ああ、アナタが差し出す本には
一体どんなことが
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