暗闇の底から/栗栖真理亜
人々がまるで汚らしいものでも見るかのように俺をじろじろと眺める
俺は胸が張り裂けそうになった
ふと、?孤独?という言葉が頭をよぎる
?孤独?
そう、俺には人々のように備わっているものが何もない
ただこの汚らしい身体を人々の目に曝すのみなのだ
たとえ心が引き裂かれようとも声を上げて叫ぶことさえままならない
人々はさも幸福そうに通り過ぎていく
俺の身体をすり抜けて・・・
俺は身体が熱くなる
冷めることのない熱
この身体の熱はどこから来たものなのか・・・?
分からない
いつ冷めるのかも
?哀しい?・・・のだろうか?
俺はしかし哀しくとも泣けない
苦しくとも発散
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