3月初めのメモ/由比良 倖
2月はとても調子が悪かった。どろどろした重力に耐えて生きているだけで、ほとんど精一杯だった。読んだ本はたった一冊だけ。3月に入ってからも、相変わらず気分の悪さは続いています。
一ヶ月間、何にも無かったような気がするけれど、いくつかいいことはあった。まず、少しだけ、内向的な気分を思い出せた。眼鏡が壊れたけれど、代わりにいい眼鏡を買えた。ディスプレイと椅子を新しく買った。ギターアンプを改良して修繕したら、とてもいい音が出るようになった。よく机の下に毛布を敷いて眠るようになった。机の下から見える部屋の中は、他人の部屋みたいで落ち着く。自分が、きちんと保護された漂流者になった気がする。あと、インクが詰ま
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