時間に色は無い/ホロウ・シカエルボク
す、曖昧な境界を長く楽しみたくて、なかなか身体を起こせなかった―でもいまはそんなことはない、睡眠に飽きたみたいに起き出してしまう、自分の中でその時間を切り捨ててしまう、生きて来た時間に比べれば、生きていく時間は確実に少ない、それを理解しているから急いているのかもしれない、単純に眠り続ける体力を無くしたせいかもしれない、どちらでもいい…どちらかを選ばなきゃいけないような気になることはあるけど、その選択のせいで人生が違うルートに入るわけじゃない、人生の分岐点なんていつだってひとつしかない、自分として生きるか、周りに染まるか、それだけさ、とうとう少し眠ってしまった、とても穏やかな短い夢を見た、でも何ひと
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