ピロティ(2025.02.23)/草野春心
 

 旧校舎の外階段を降りて
 ピロティに出ることができた
 夏草の熱が 猫のように腹這いで寝ていた
 青い空と鳥籠は真逆に見えて 同じものだと
 あなたの唇が言っていた
 僕たちは暗い液で 長い間 滴っていたが
 一日の光の中で 混ざり合い 風に乾いていった


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