雪の妖精/栗栖真理亜
瞬(まばた)きした瞬間、消えてしまいそうなアナタ
まるで幻
雪解けの水
どこかに流れてやがて柔らかな土へと吸い込まれてゆく
温かな懐へ抱かれ私の知らない?誰か?となる
どうか私の手の届かないトコロへと逝(ゆ)かないでおくれ
私がアナタの姿を忘れ去る前に
どんな優しい子守唄もいまはもう聞こえない
溢れ墜ちる涙は血のように私のココロに茶色い染みをつくり
紅い
紅い糸が鎖のように巻き付いて私を離そうとしない
あぁ、手を伸ばして見えざる光を掴もう
純粋で何物にも代えがたい光を
光は私のココロを溶かし込み
いずれはアナタの元へと導いてくれるだろうから
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