思い出したのでゴルログ/ブルーベリー
 
空もお誂え向きに雲一つないのに
SOSのシグナルは来ない、


「おかあさん」

近くなった家から路上へ、待ち切れなかったか幼い娘が、白い息を吐きながら駆け寄ってくる。
お迎えに来てくれたの、と冷たい頬を撫でて笑ってから手を繋いで、もう一度だけ夜空を見上げた。

「おかあさん?」

天体ショーと称されたそれを待ち焦がれる人も居るのに、私は故郷の場所すら見つけられない。

―されど途方には暮れられぬ。


不安そうな顔がこちらを見上げていて、応えるように手の中のぬくもりを握り直した。



ごめんなさい。


そうして私は娘の手を引き、どこか、見つけられ
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