ルピナス/みぎめ ひだりめ
 
青い毛皮に 透き通る
月光はただ 揺れるのみ

わたしの神が 吠えていた
こころのままに 吠えていた

夜を駆け抜け 喰らいつく
わたしは言葉の 牙を持ち

素知らぬままに 噛みついた
白い牝鹿の 柔肌に

ついた歯形は あつく燃え
いのちは跳ねた さめざめと

こころに浮かぶ 迷いなど
吠えて 喰らって 飲み込めば
わたしはどこでも 行けるのか

あなたの元さえ 行けるのか

月光はただ 揺れるのみ
こころのままに 揺れるのみ
天は大地に つかぬもの
それを知ってか 知らずにか

わたしは吠えた さめざめと
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