偽りの夜の果てに/栗栖真理亜
夜空のブランケットに包まり
アナタとふたり
流れゆく無限のときを眺めていたい
嗚呼、願わくは
アナタのその節くれだった大きな男らしい手で
私の漆黒の髪を撫でてください
優しさと冷たさの境で私はいつも戸惑うの
愛はまるで滝のように唇から零れ落ちてゆくけれど
いつだって本当の心の壷へと還ったことはないわ
そう、いつも・・・
アナタの瞳は慈愛に満ち満ちているけれど
求める私の瞳には応えたことは一度だってない
ねえ、そうでしょう?
いつまでも堂々巡りのまま
ふたりは飽くことのない恋愛ごっこを続けてゆく
白い闇がふたりを妨げても
愛という偽りの感情が嘘とは気づかせずに
ふたりを煙に巻いてしまう
そう、まるで悦楽の波が
やがて神経を麻痺させてしまうかのように
曖昧な闇がやがて光によって曝されてしまうまで
どうか私をアナタのブランケットで
包み隠していてください
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