死を望む生/メランコリック
どう生きるかではなく、どう死ぬかを念頭に生きる人生の矛盾
眼に入れたい程恋しい品が手に落ちた時には、棺に横たわる自身の萎びた手に握られていることを思う
また、理解しあえなかった人々の思考の片隅に、私の血走った眼から、噛み締めた唇から、立てた爪から流れた血の光沢が瞬くよう、代弁してくれる音を求めこともある
ある人は言う、自殺は禁忌。ある人は言う肌身放さ離さず持っておける処方箋と。禁忌と薬。用法を守るな!
空白を彩り続けることでしか生きられない毛並みの人間もある。それほど飢え求め泥を呑んでも王道の土壌を持たず空虚な人間もある 虚無を埋めようと虚無で埋めた日陰の小部屋の窓から雑踏を眺めると芝は青どころか七色の彩り 他者と色を譲り合えないならば自らの血で彩るべし 自虐自殺自嘲を混ぜれば日々を手軽に手軽に七色の赤
彩るための死への希求 生存するための希死念慮 思考と行動、思考と思考、行動と行動 噛み合わぬ歯車で動く矛盾の人生を恐るるなかれ
そして、どうか責めるなかれ
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