すみか/由比良 倖
 
あなたは、透明な入り口。遠い入り口で泣いている。

私には近況なんて無い。いつも深い森の中にいて、
でも今日、そこには太陽の光が差した、
珍しいことでは、ないけれど。

それだけのことが私の社会的一生だとしたら、
私は透明で躁鬱な社会を生きていける。

あなたの求めは、求めること、
そのものなのだから、苦しみと痛み、
それがあなたの夢なんだから。

きっと、消える宇宙の、最期には、
あなたの宇宙は透明さを増し、
そうして私の一生は一生を遡り、
光で満ち足りるだろう。

私の森には雨が降り、雨が降り、
そうしてあなたは今日も泣いている。

きっと、今この瞬間
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