カタストロフ/栗栖真理亜
 
偽りの影に抱きかかえられ
私は自分というものを見失った

憐れな人形よ
お前はなぜ得ることすら出来ぬものばかり愛するのだ?
一面氷で覆われた大地を踏みしめることも出来ず
哀しみという穴に堕ちてゆく自分を嘲笑え

彼方に差し込む日の光すら遠く感じる己の愚かさよ
とくとその身に染込ませればよい
明日なき今日を忘れぬために

現実なき幻に酔いしれたあの頃を戒めよ
そして暖かな眼差しを心の刃として懐に深く突き刺すのだ













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