眠りの前/由比良 倖
 
目を瞑れば何も無い、
記憶と現在が交差する現実には、
何にも無いかわり、何もかもがある。

生きるも死ぬもないから、
煙草を吸うのでしょう? 薬を飲むのでしょう?
生きるからではないでしょう?
消えるからでしょう?

あなたの知見や知恵や、見栄や景色や、
世界の材質は、私とは重ならないけれど、
それらはあなたの苛立ちとして、
私に伝染してくるので、
代わりに私は泣いてしまう、、、
そのときあなたは生きていますか?
私は間違っているでしょうか…?
焦っているでしょうか?
あなたは笑うのでしょうか、泣くのでしょうか?

あなたの苛立ちと私の絶望が重なる一瞬、

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