空はどこまでも白く/由比良 倖
二十歳になってすぐの頃、祖父が死んだ。
冷たい。愛が測られているのだ、と私は口に出してしまう。あるいは罪の意識の量が。だから、私は泣かない。葬式では馬鹿みたいに泣く人がいる。ちょっと羨ましいな、と思いながら、私は葬式の日って、煙草が美味しいな(年配者が多く集まるので、斎場の控え室では大抵煙草が吸える)、なんて考えて、ラッキー・ストライクの箱の赤は、おなかの中に刺さって、赤って今日、気持ちいい色だなあ、と思う。
空は晴れてるし、湿った煙が上がっている。音楽。音楽が聴きたいな、と思った。私は、初音ミクの「ヨルノソコ」という歌を口ずさんだ。「きれいな声ね」と、端で籐編みの椅子に座っていたお婆さ
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