夕景の絵/メランコリック
 
今日も今日とて怠惰な日常を描く が、白一色に不安を覚えたためより刺激的な不安で塗り替える
手首に切れ目を入れ、心には縫い目を入れる
体を巡る血の濃い赤は、人間らしい人間であることを証明してはくれないよう
帳を振り払って外を眺めると、視線をちらつく血管のせいか、澄んだ青い筈の空は血で染まった様な赤、赤
寸分違わぬ針と針から逃げ遅れた太陽が、押し潰されて赤く染まったならば、とこしえに夜を告げようとする夕陽の完成を見る
水にうずめようとしてかさを増した血と、青ざめた顔 呼応し、陽も隠れるべく身を投げ血で染め空は青ざめる
夕景から抜き出した絵の具で夕景の絵を彩る
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