雪の跡ー回転を想う/詩乃
だって、地球は丸いんだろ?
廻りながら廻っているではないか
銀河すら廻っているのだ
有限性からの脱却
膨らむ膨らむ 廻りながら
欲望もそうだ
膨らむ膨らむ 廻りながら
眼を廻しているのだ 資本に
能味噌を廻しているのだ 快感に
嗚呼内的自己と外的自己
どっちが私なのだろうね
思うに 互いに交わりあって廻っているのさ
ぐにゃんぐにゃんと歪《ゆが》んだ軌道を描いて廻っているのさ
私とあなただって あなたと彼だって 私と彼だって 彼と彼女だって
交わりあって廻っているのさ
ぐにゃんぐにゃんと歪《ひず》んだ軌道を描いて廻っているのさ
社会も廻る国家も廻る「世界」も廻る
でもね、仮令何千年廻り続けたとて
綺麗な丸には ならないよ
混ざりけのない丸には ならないよ
なったとしても それは 遠く遠くはるか遠くから見たときの
どす汚い黒であるだろうね
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