振り返り/栗栖真理亜
 
気づけば私の隣には誰もいない
誰も彼も嘘っぱちの仮面被り
煽てたり冷やかしたり蹴落としたり
それは神経という神経蝕み
徐々に体の自由を奪う麻酔
頭のてっぺんから足のつま先まで痺れさせ
動かなくする拷問

かかり過ぎるとやがて麻痺して
どうでもよくなってしまうのだ
今までの気力も体力も全て奪われ
果ては廃人と化してしまうのだろう

それが彼らの目的か

仲間を拡大することなど考えず
ただひたすらライバルを潰すことだけ考える

誰もいない
小さくて狭い世界で
私はただ独り
戻る   Point(3)