消雪/詩乃
 
帰り道のスーパーの駐輪場

彼だったかもしれないそれを

彼女であったかもしれないそれを

無遠慮に踏みつける

サクッサクッザクッ

白く盛り上がったふわふわが

黒く固くぺったりと

滲んでく滲んでく

アスファルトに

買い物を終えた頃には

忽然と姿を消していた
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