節分/メランコリック
 
住処にて恵方巻を食べる からかう者、不意に驚かす者部屋になし 故に閑静の中無言で平らげること易し
しかしこの無音の安心による無言の保証、招福足りうるであろうか 猜疑するも、無言の誓いによる招福は寂寥の中にある者への気遣いと思い込むこととする
福は招き、厄は遠ざける
念入りに豆をまき、柊を飾る しかし、もとより寂莫の住処を訪ねるものの気配なし 不運は家の内の主より発せられ、悪趣味の鬼ですら好んで寄らず好んで食わず たとえ鬼が災厄着込んで不運を担ぎ家の戸叩いたとて、内に匿いたいものは無し
願わくば人々の目に映る私の姿が鬼ではありませんよう
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