*人格と世界観1/ひだかたけし
人間は観察を通して自然の外側を学び、
自然の奥に存する衝動は、
人間自身の内部で主観的な体験となって現れる。
人間の主観的な体験は、
哲学による世界考察や芸術鑑賞、芸術創造の中で、
客観的な観察と結びつく。
二つに分裂していたものが、ふたたび人間精神のなかで
ひとつの全体になる。
人間は自分の内部で開示される深い秘密が
客観世界と結びつくとき、
最高の精神的な満足を得る。
認識内容も芸術創造も、人間の内的な体験と結びついた
客観世界の観察結果にほかならない。
外界の事物や出来事についてのどんな素朴な判断においても、
人間の魂の体験と外界の観察とが
互いに密接に結び
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