非ずとイエスの物語/鏡文志
ると凡庸を愛するようになった。そして偉人より三丁目の山田さんに敬意を持てる世間人になった。人間降格!」
曰く
「良質なるものは筋となる道を知っている。訳ありて不平不満本人にしか分からぬ理屈などありて、脇道横道に反れ、その際周りに波紋風など吹かせることあれど、必ず要が来れば、正道にいつか戻るもの也」
際限なきアイデアと、人生訓の羅列。その愛おしき、思考による論理的美しきを守ることか? サンマの味が美味しいと言う思いを、体によってはしたなく表すのでなく、美文によって表せるのなら、文化文明の中で生きる世の人生は幸福である。疑うことは美しい。肯定することも美しい。長いトンネルを抜けた後も、トンネルの中を走りている時も、心に抱くのはいつもポッカリ、穴 穴 穴。
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