首曳きの唄/栗栖真理亜
 
、遠くまで見渡すことは出来なかった。
(これから、どうしよう)
秘密を知ってしまった以上、万里子をそのまま生かしておくわけにはいかない。
僕は彼女のほうへ振り返り、じっと観察した。
涙でグシャグシャに濡れた瞳で彼女も僕を見つめ返している。
僕は彼女の傍に寄ると、白くて細い首に手をかけた。
彼女は抵抗すら見せないで無言のまま、なすがままにされている。
僕は思いっきり手に力を入れて締め上げた。
「ぐっ・・・・!!」
彼女は瞳を閉じたまま、苦しそうに眉根を寄せ、唇をかみ締めた。
僕も鬼気迫る思いで、ますます手に力を込めた。

数秒がたち、僕は苦悶の表情を浮か
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