首曳きの唄/栗栖真理亜
 
いつの間にそこにいたのか、 
少女二人組のひそひそ話が聞こえてきた。 
『ねえ!ねえ!さっきのニュース見た?男の人のマンションから首なし死体が発見されたんだってえ〜〜〜〜〜〜!』 
『えッ、ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!?やだあああああああ!気持ち悪ぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!』 
僕はその場で固まってしまった。 
(もう発見されてしまった・・・・・・!) 
このままではここも危ないかもしれない・・・・・・! 
見つかる前にこれをどこかで処理しなければ! 
僕は震える手でロッカーからバックを取り出すとそれを両手で抱え込み、 
少女達に気づかれない間に跳ぶようにその場を立
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