神が住んでいるのかもしれない頂きに想いを馳せて/足立らどみ
 


ここで語られているのは、個人として背負ってきた「過去」と、それを通じて培われた現在の「価値観」の重みのように感じます。また、誰かが言葉にしておかなければならない「原則論」や「他者への働きかけ」と、自分が重視している「現在と未来」との間にある微妙な距離感――そうした葛藤や選択の姿も見えます。

詩の話に戻すと、「詩」とはやはり、単なる言葉以上のもの――生々しい体験、記憶、感情、あるいは他者との関係性が織り込まれる場だと改めて感じます。そしてそれは、「何を語るべきか」「何を語らないべきか」という取捨選択と密接に関わっているのではないでしょうか。このコメントにも、そのような取捨選択の意識が含ま
[次のページ]
戻る   Point(5)