記憶/
たもつ
広葉樹、飛行機の跡
吸い込まれる旧い戸籍
羽音と水分が
扇動を始める時
わたしは滑らかな
脱輪を選んだ
あなたが遠くの砂漠で
靴を並べている
人が来て靴を履いて行くと
空白を埋めるように
靴を置きなおす
それがあなたの
悲しい記憶なのだと
気づくべきだった
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