悲しみなんて消えるから/秋葉竹
泉に落ちた真実を
なんど祈れど掬えない
すべてが収束する空は
みあげるたびに輝いて
ひとりの部屋で
咳をする
止まらないから
しつづける
夜虹の音が聴こえたら
幸せな日が訪れる
咳は止まらず布団にくるまり
明日になる夜を乗り越える
夜虹の音が聴こえたら
悲しみなんて消えるから
泉に落ちた真実を
なんど祈れど掬えない
すべてが完了する空は
みあげなくても光りおり
ひとりの部屋で
咳をする
咳は止まらずただ進みゆき
世界を未来に連れてゆく
夜虹の声が聴こえた夜は
悲しみなんて消えるから
戻る 編 削 Point(2)